情報システムは、近年、産業界から日常生活の様々な分野にいたるまで幅広く活用されており、今日の経済・社会を支える不可欠なツールとしてますますその重要性が高まっている。このため、情報システムの信頼性、安全性の向上が社会的な要請となっている。つまり、情報システムが何らかの障害により機能を停止すると、その影響は社会生活の隅々にまで及び、多大の混乱を招くこととなる。特に、ネットワーク化やダウンサイジング化の進展によって、情報システムの利用者が専門知識を十分身につけていない者にまで広がりつつある現在、利用者の不注意や悪意による不正アクセス行為等も情報システムへの脅威としてクローズアップされている。こうした状況から、各国においても情報システムのセキュリティへの関心が高まっており、特に、先進主要国で構成されるOECDでは、1992年に情報システムセキュリティガイドラインを閣僚理事会で承認した。また、OECDでは1995年12月に「暗号政策アドホック専門家会議」をパリ本部で開催し、その後1997年2月の専門家会議の開催を通じ、暗号利用に関する国際的なガイドライン策定に向けて検討を進ている。こうした動きを受け、加盟各国は当該ガイドラインに沿って対応を図っている。